現場で起きやすい課題
せっかく開発した業務アプリが数か月で使われなくなる背景には、担当者の意見だけを聞いて仕様を決めてしまい、実際の作業の流れや例外対応を反映できていないという事情がよくあります。管理側が思い描く理想の業務フローと、現場が日々こなしている実際の手順にはずれが生じやすく、そのずれを埋めないまま開発を進めると、完成後に「使いにくい」「今までの方が早い」という声が出てしまいます。まずは机上の議論より先に、実際の作業を横で見せてもらうことから始めると、仕様書だけでは見えない工夫や苦労が見えてきます。
最初に整理すること
現場ヒアリングでは、担当者に理想の姿を聞くだけでなく、今困っていることや我慢しながら続けている作業を具体的に聞き出すことが欠かせません。忙しい時期や人が足りないときにどう対応しているか、例外的な処理がどのくらいの頻度で発生するかを聞くと、普段の会話には出てこない実態が見えてきます。また、複数の担当者や拠点があるなら、一人の意見だけで仕様を固めず、立場の異なる何人かに同じ質問を投げて答えの違いを確認することも大切です。違いが出た部分こそ、運用ルールとして明文化しておくべき箇所です。
光の道具箱で広げる改善
ヒアリングで得た情報は、機能一覧に落とし込む前に、業務の流れ図として整理し直すと関係者全員で認識をそろえやすくなります。開発着手前にその図を現場に見せて、抜けや誤解がないか確認してもらう一手間が、後々の手戻りを大きく減らします。ヒアリングは一度で終わらせず、開発の節目ごとに現場の声を聞き直す機会を設けておくと、実際に使われるアプリに近づけていくことができます。管理職と現場担当者の同席で確認する場を設けると、立場ごとの温度差もその場で埋めやすくなります。



