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日中は速さ、夜間は持久力。AI開発ツールを使い分ける

2026年8月28日4分山口真フレアーズ合同会社 代表社員
フレアーズ合同会社のロゴ

Cursorを使い始めて、あらためて感じていることがある。とにかく動きが速い。考えたことを伝えると、修正して、試して、次の案を返すまでが早い。一方で、指示の読み違いや、確認すれば防げる小さなミスも起きる。速いことと、安心して放置できることは別だ。

それでも、人が途中に入り、結果を見ながら適宜指示を出す前提なら、仕事の進む速さは圧倒的だと思う。いわゆるHuman in the Loop、つまり人が判断の輪から抜けず、短い間隔で確認する使い方だ。人がきちんと時間を割いて監督できる日中は、Cursorが現時点では頭一つ抜けて使いやすいと感じている。

大切なのは、モデルの性能だけで決めないことだ。同じモデルでも、どの開発環境から使うか、どんな道具を持たせるか、途中経過をどう見せるかで働き方が変わる。モデルと、それを動かす環境の組み合わせを、仕事の時間帯や確認方法に合わせて選ぶ必要がある。

公開されたばかりのGLM-5.3-Flashも、速い応答とこまめなやり取りを重視する方向で作られていて、日中の作業に合いそうだ。使い始めた範囲では印象も悪くない。DeepSeekも、速さと実用性の釣り合いを見ながら選べる候補として残っている。どちらも、任せきりにするより、人が近くで結果を見ながら使う方が力を発揮しやすい。

一方、夜間に長時間の作業を任せるなら、今のところClaudeとの相性が圧倒的によいと感じる。途中で止まりにくく、長い作業を粘り強く進める点では抜きん出ている。夜の間に仕事を引き受け、朝までこつこつ進める姿から、二つ名を付けるなら『夜鍋屋』が似合う。

Codexは優等生という印象だ。調査、実装、確認をそつなく進め、幅広い仕事に対応できる。大きな弱点が少ない万能型だが、体感では速度を最優先した道具ではない。丁寧さを保ったまま、今後さらに速い実行モードが育ち、『Ultra High Speed』と呼びたくなるほど軽快になることにも期待している。

結局、一つのモデルや開発環境ですべてをまかなう必要はない。人が画面の前にいる時間は、速く返してくれる道具と細かく相談しながら進める。人が離れる夜間は、長い時間を安定して走れる道具に、範囲を絞った仕事を渡す。時間帯と監督の濃さで役割を分けた方が自然だ。

AIを使うと、人の仕事がなくなるというより、人の時間の使い方が変わる。細かな入力作業は減るが、何を頼むか、途中でどこを見るか、いつ止めるかの判断は残る。速い道具を生かすには、任せる時間と人が確認する時間を最初から予定に入れておくことが大切だと思う。