現場で起きやすい課題
労働時間の適正把握は、働き方改革関連法によって企業の義務として明確に位置づけられています。管理監督者や裁量労働制の対象者も含めて、原則としてすべての従業員の労働時間を客観的な方法で把握することが求められており、把握を怠ると是正指導だけでなく、未払い残業代の請求リスクも高まります。まず取り組みたいのは、自社の労働時間把握の方法が自己申告制にとどまっていないかを確認することです。やむを得ず自己申告制を採用する場合でも、実態との乖離がないか定期的に調査し、必要な場合は補正する措置を講じることが厚生労働省のガイドラインで求められています。
最初に整理すること
次に、時間外労働の上限規制との関係を整理しておくことも欠かせません。36協定で定めた上限時間に対して、実際の残業時間がどの程度の水準にあるかを月次で確認し、上限に近づいている従業員には早めに業務量の調整を行う仕組みを整えておくと、法令違反のリスクを未然に防げます。仕組みの工夫としては、労働時間の集計結果を毎月経営層や部門長に共有し、特定の部署や個人に負荷が偏っていないかを可視化することです。
光の道具箱で広げる改善
判断の勘所は、労働時間の適正把握を単なる法令遵守の作業と捉えるのではなく、従業員の健康管理や生産性向上の材料として活用する視点を持つことです。長時間労働が続く部署の業務プロセスを見直すきっかけにもなります。医師による面接指導の対象となる時間数に達した従業員を早期に把握できる体制も、健康管理の観点から重要です。日々の記録を正確に積み重ねる仕組みを整えることが、法令遵守と従業員の健康、双方を守ることにつながります。



