現場で起きやすい課題
在庫が少なくなってから慌てて発注する、あるいは念のため多めに発注して倉庫を圧迫する、という状態は多くの企業で見られる悩みです。発注のタイミングが担当者の経験や勘に依存していると、欠品による販売機会の損失と、過剰在庫による資金や保管スペースの圧迫という、相反する問題が同時に起こりがちです。まず取り組みたいのは、品目ごとに「発注点」、つまり在庫がどの水準まで減ったら発注をかけるかという基準を設定することです。発注点は、発注してから納品されるまでのリードタイムと、その間に見込まれる出荷量をもとに計算でき、季節変動が大きい商品はその変動幅も加味して設定します。
最初に整理すること
次に、発注点を一度決めて終わりにするのではなく、需要の変化に応じて定期的に見直す運用を組み込むことが欠かせません。仕組みの工夫としては、在庫管理システムで発注点を下回った品目を自動的にリストアップし、発注担当者が確認するだけで発注作業に移れるようにしておくと、目視での在庫チェックにかかる時間を減らせます。
光の道具箱で広げる改善
判断の勘所は、すべての品目に同じ精度で発注点を設定しようとしないことです。売れ筋商品や欠品の影響が大きい品目には手厚く管理する一方、動きの少ない品目は簡易的なルールにとどめるなど、品目の重要度に応じて管理の濃淡をつけることで、限られた人員でも運用を継続しやすくなります。取引先の休業日や配送にかかる日数も発注点の計算に織り込んでおくと、想定外の入荷遅れによる欠品を防ぎやすくなります。発注点を定期的に見直す習慣が、欠品と過剰在庫のバランスを保つ土台になります。



