現場で起きやすい課題
長年同じ担当者が続けてきた業務は、やり方が個人の頭の中にしかなく、担当者が異動や退職をすると途端に立ち行かなくなることがあります。属人化した手順は本人にとっては効率的でも、他の人が引き継ぐときに大きな障壁となり、教える側も何をどこまで伝えればよいか分からず苦労しがちです。最初に取り組みたいのは、業務の全体像を洗い出し、どの手順が個人の判断に依存しているかを可視化することです。すべてを一度に標準化しようとせず、まずは頻度が高く影響範囲の広い業務から着手すると、負担なく進められます。洗い出しの過程では、担当者自身に手順を言葉にしてもらう作業が欠かせません。
最初に整理すること
標準化を仕組みとして機能させるには、手順書を作って終わりにせず、実際にその手順通りに他の人が作業できるかを検証する工程を組み込むことが重要です。検証の過程で「実は暗黙のルールがあった」という発見が出てくることも多く、これを丁寧に拾い上げることで手順の抜けが減っていきます。判断の勘所は、標準化の目的を「誰がやっても同じ品質になること」に置くことです。効率を優先しすぎて、担当者ごとの工夫を切り捨ててしまうと、かえって品質が下がる場合もあるため、良い工夫は標準の側に取り込む姿勢が求められます。
光の道具箱で広げる改善
標準化が進むと、休暇取得や急な欠員にも業務が滞らなくなり、特定の人に依存するリスクが下がります。新しく入った社員への引き継ぎもスムーズになり、教育にかかる時間も短縮されていきます。何より、担当者自身が自分にしかできない仕事を抱え込むプレッシャーから解放されることは、大きな意味を持ちます。まずは自社で最も属人化している業務がどれかを、率直に洗い出すところから始めるとよいでしょう。



