現場で起きやすい課題
工数の記録が担当者の感覚や大まかなメモに頼っていると、案件ごとの原価がどんぶり勘定になり、利益が出ているのかどうかも見えにくくなります。まず取り組みたいのは、作業を案件や工程ごとに区切り、着手と完了のタイミングを記録する運用を決めることです。細かすぎる区切りは現場の負担になるため、原価管理に必要な粒度を見極めて設計することが最初の一歩になります。区切りが決まったら、まずは主力の案件区分から試験的に運用を始め、無理のない範囲で定着させていくとよいでしょう。
最初に整理すること
次の工夫は、この記録をタブレットやスマートフォンでその場に入力できるようにし、蓄積したデータを案件別に自動集計する仕組みを作ることです。人件費の単価と組み合わせれば、案件ごとの実際の労務費が自動で算出され、見積もりとの差異もすぐに確認できるようになります。集計のための表計算作業に追われていた時間も削減されます。この仕組みが整うと、どの案件が想定より時間がかかっているのか、どの作業に無駄が生じているのかが具体的に見えてきます。
光の道具箱で広げる改善
記録が数か月分たまってきたら、案件の種類ごとに平均的な工数を割り出し、見積もり時の基準値として使えるようにしておくと、次回以降の見積もり精度が上がります。利益率の低い案件を早い段階で見直せるようになることも大きな効果です。運用を始める際は、完璧な粒度を最初から目指さず、まず主要な工程区分だけで数か月試し、実際の使い勝手を見ながら区切り方を調整していく進め方が現実的です。



