現場で起きやすい課題
建設業では一つの工事に元請け、一次下請け、二次下請けと複数の事業者が関わり、出来高に応じた中間金の請求や、追加工事の精算など請求のタイミングも複雑になりやすい特徴があります。インボイス制度への対応では、取引先が適格請求書発行事業者かどうかの確認に加え、出来高払いのように請求が分割される場合の記載方法や、端数処理の扱いを社内で統一しておくことが必要です。工事が長期にわたる場合は、途中で取引先の登録状況が変わる可能性も踏まえておく必要があります。
最初に整理すること
実務対応としては、まず自社が発行する請求書や見積書のフォーマットが登録番号や税率区分などの必要事項を満たしているか確認します。次に、一人親方を含む協力会社が免税事業者かどうかを把握し、取引条件についてどう扱うかを事前に整理しておくと、請求時期になって慌てることを防げます。クラウド会計ソフトを使っている場合は、適格請求書の要件に対応した機能が使えるかも確認しておくとよいでしょう。取引先ごとの登録状況を一覧にまとめておくと、経理処理の際に確認する手間が省けます。
光の道具箱で広げる改善
制度対応が整うと、経理担当者の確認作業が減り、取引先とのやり取りもスムーズになります。重要なのは制度をひとまとめに捉えるのではなく、自社の取引構造の中でどこに影響が出るのかを具体的に洗い出すことです。年に一度は請求書フォーマットや取引先の状況を見直し、制度変更にも対応できる体制を保っておくことが実務上の安心につながります。小規模な取引先ほど対応が遅れがちなため、余裕を持って早めに確認しておくと安心です。



