現場で起きやすい課題
委託販売(商品を取引先に預け、売れた分だけ売上計上する取引)や、修理・展示のための預け在庫は、倉庫にある自社在庫とは異なる管理が必要です。しかし多くの現場では同じ在庫台帳で一括管理されており、委託先での販売報告が遅れると、自社の在庫数と実際の残数が一致しなくなります。棚卸しの際に差異の原因が委託分なのか自社倉庫の誤差なのか切り分けられないという声もよく聞かれ、決算時の在庫評価にも影響してしまいます。
最初に整理すること
まず取り組みたいのは、委託・預け在庫を自社在庫と別区分で管理することです。同じ商品でも「自社倉庫」「A社委託」「B社展示」のように保管場所を分けて記録するだけで、差異の原因を追いやすくなります。委託先には定期的な販売実績・残数の報告フォーマットを渡し、月次など決まった頻度で照合する運用にすると、報告漏れに早く気づけます。フォーマットは簡素なものでよく、続けやすさを優先することが大切です。加えて、委託先が複数ある場合は同じ様式で統一しておくと、比較や集計がしやすくなります。
光の道具箱で広げる改善
区分管理が定着したら、委託契約書に報告頻度や在庫責任の範囲を明記し、口頭合意に頼らない状態にしておくと、後々のトラブルを防げます。棚卸しの際は自社倉庫分と委託分を分けて実施し、差異が出た場合は原因(未報告・破損・紛失など)を記録に残す習慣をつけることで、次第に精度の高い在庫管理へと近づいていきます。小さな差異も放置せず記録することが、長期的な信頼性につながります。区分を分けるという一手間だけで、決算時の在庫評価にも安心して臨めるようになります。委託先との関係が良好なうちに、報告の仕組みを整えておくことが後々の安心につながります。



