FLARES LLC
FLARES LLC

Article

キャッシュを軸にした経営判断の考え方

決算書では黒字なのに、なぜか手元資金が増えていかないと感じることはないでしょうか。利益とキャッシュは一致するとは限りません。
業務別DX3分公開日 2026年7月4日更新日 2026年7月4日
キャッシュを軸にした経営判断の考え方のアイキャッチ

執筆・監修

著者
山口 真フレアーズ合同会社 代表社員
監修
フレアーズ合同会社DX支援・ソフトウェア開発チーム

現場で起きやすい課題

売掛金の回収前に費用の支払いが先行したり、在庫や設備投資に資金が寝てしまったりすると、利益が出ていても資金は増えない状況が生まれます。ここで言う黒字倒産とは、損益計算書上は利益が出ているのに、手元資金が支払いに間に合わず債務を履行できなくなって行き詰まる状態を指します。売上急拡大で運転資金の立替が膨らむ、大口の入金遅延、過大な在庫や設備投資などが重なると発生しやすく、利益の有無だけでは察知できないのが厄介な点です。だからこそ、資金の動きは利益とは別に追う必要があります。

最初に整理すること

まずは月次で利益とキャッシュのズレがどれだけあるかを確認します。次に、売掛金の回収サイトと買掛金の支払サイトの日数差を数字にし、入金より支払いが先行する期間がどれだけあるかを把握します。そのうえで資金繰り表を作り、向こう三〜六か月の入出金予定を並べて、月末残高が最も薄くなる時期を先読みできる状態にします。ここは表計算ソフト一枚でも始められますが、季節変動や賞与・税金・借入返済といった不定期の大きな支出を漏らさず織り込む必要があり、精度を上げるには相応の手間がかかる作業でもあります。

光の道具箱で広げる改善

最初から完璧を目指さず、まず主要な入出金だけで骨組みを作り、実績とのズレを毎月見直して精度を高めていくのが現実的です。設備投資や採用といった大きな判断の際も、利益計画だけでなくこの資金繰り表の見通しを併せて確認すると、無理のない意思決定がしやすくなります。手始めに、通帳と試算表を突き合わせて直近三か月の資金の増減を数字で確認し、続けて回収・支払サイトの日数差を書き出してみると、自社の資金が薄くなる時期の見当がついてきます。

この記事の要点

  • 利益とキャッシュは一致せず別々に追う必要がある
  • 黒字倒産は入金遅延や運転資金の立替増で起きる
  • 資金繰り表は骨組みから作り毎月精度を上げる

この記事のテーマを、自社ではどう進めるか

AI共創開発支援やIT顧問で、無理のない進め方を確認できます。

課題の整理、社内担当者と進められる範囲、継続相談や追加支援が必要な範囲を切り分けます。

Related

関連する記事

一覧へ