現場で起きやすい課題
電子化を導入する際、既存の紙の運用をそのまま残した状態でデータ入力だけを追加してしまうと、同じ情報を紙とデータの両方で管理することになり、かえって手間が増えてしまいます。二重管理が生まれる背景には、電子データだけでは不安という心理的な要因や、取引先や監督官庁への提出に紙が必要という実務上の制約、また社内の一部の人だけが新しい運用に切り替わっていないという移行の中途半端さが挙げられます。原因を放置したまま電子化だけを進めても、負担は軽くなりません。むしろ入力の手間が上乗せされ、現場から電子化そのものへの不満につながることもあります。
最初に整理すること
二重管理を解消するには、まずどの書類について紙が本当に必要なのかを一つずつ確認することが出発点になります。法令上の要件や取引先の慣行を踏まえたうえで、紙保管が不要と判断できるものから電子データのみの運用に切り替えていきます。切り替えの際は、検索性やバックアップ体制など、紙にはなかった安心材料をあらかじめ用意しておくと、心理的な抵抗を減らしやすくなります。関係者全員が同じタイミングで新しい運用に移行できるよう、周知と猶予期間を設けることも欠かせません。
光の道具箱で広げる改善
運用を一本化した後は、一定期間ごとに紙が復活していないかを点検する仕組みを設けておくと、なし崩し的な二重管理への逆戻りを防げます。書類の種類ごとに保管方法を明文化し、担当者が変わっても同じルールが引き継がれるようにしておくことが、二重管理を再発させないための土台になります。手間が減った分、書類の内容確認や活用に時間を振り向けられるようになります。



