現場で起きやすい課題
業務アプリを作ろうとするとき、現場の要望を集めるほど機能候補が膨らみ、着手前から対象範囲が曖昧になりがちです。AIを使えば試作は速く作れますが、何を作るかが定まっていなければ、速さは活かせません。よくあるのは「せっかくだからこの機能も」という積み重ねで、最初の目的だった業務の一部改善が、いつの間にか全体刷新のような話に膨らんでしまうケースです。結果として着手が遅れ、担当者の負担だけが増えていき、誰のための開発だったのかが見えにくくなっていきます。
最初に整理すること
最初に取り組むと良いのは、機能を足す前に「今回は扱わないこと」を明文化する作業です。例えば「承認フローの多段階化は次回以降」「他部署のデータ連携は対象外」といった具合に、除外項目を先に言語化しておきます。これにより関係者の認識がそろい、途中で話が広がっても立ち返る基準ができます。除外項目は禁止事項ではなく、今回の優先順位を示すものだと考えると、現場からの反発も起きにくくなります。この作業自体は短時間で済み、関係者が集まって話し合うだけでも十分に効果があります。
光の道具箱で広げる改善
線引きを決めたら、それを1枚の紙やドキュメントに残し、開発に関わる全員がいつでも参照できるようにしておくとよいでしょう。途中で新しい要望が出た場合は、今回の対象に入れるか次回に回すかをその場で判断し、記録に追記していきます。小さく作って早く使い始め、実際の利用を見てから次に何を作るかを決める進め方の方が、結果的に無駄な作り込みを避けられます。最初の線引きは、開発を止めるためではなく、進めるための土台になります。範囲を絞ることは妥協ではなく、確実に成果を積み上げるための選択だと捉えておくとよいでしょう。



