調査・研究レポートReport

投稿日:2019年6月13日

「人が集まる会社、人が逃げ出す会社」を読んで

今日も嫁さんの小学校への出勤の時間に合わせて、8時にスターバックスに移動して早朝の時間を過ごしました。

今日の朝ワークは読書。「人が集まる会社、人が逃げ出す会社」という書籍の最後少しだけ残っていた部分を読み終えたので簡単にレビューを書きました。

著者について

著者の下田直人さんは社会保険労務士の資格保持者の方ですが、社会保険労務士と言っても、事務仕事がメインの方から企業の人事面や採用面など、人と就業生活に関するコンサルティングを生業とされている方まで様々だと思います。下田さんは社労士そのものというよりも、経営者としての人としての在り方などを極められている印象です。

下田直人さんのプロフィール

1974年生まれ。2002年社会保険労務士として開業。2005年『なぜ、就業規則を変えると会社は儲かるのか?』(大和出版)を出版し、就業規則に対する中小企業、社会保険労務士の概念を変える。以来、「就業規則の神様」と呼ばれ、全国にクライアントを持つとともに、全国の社労士を指導もする。2014年カンボジアにある「伝統の森」を訪れたことをきっかけに、人間がもっとのびのびと人間らしく生きる生き方を提唱すべく、まずは、自分が沖縄に移住する。その際、社労士としての仕事はセミリタイアする。現在では毎月東京と沖縄を往復するデュアルライフを送りながら、陽明学を通した生き方を学ぶ「えびす大学」を東京、沖縄。WEB上で展開するほか、沖縄の海や森の自然を利用した研修を実施している。また2017年7月に、沖縄県名護市に古民家を改組した、「運命図書館」をコンセプトにしたブックカフェをオープンし、本を通した幸せな空間を提供している。2018年2月からは「ラジオ 運命図書館」のパーソナリティーを務める。

下田直人公式ホームページ

My front page

(下田直人公式ホームページおよび本書巻末より引用)

人の心を「温める会社」と「冷ます会社」

著者の下田さん曰く、「人の心が感じられるかどうかと」いう視点が企業経営におけるすべてにおいての原点となると何度も訴えています。

人の心を温める会社と冷ます会社の2種類が世の中にあるとしていて、温める会社には人が自然と集まってくるとおっしゃっています。逆に冷ます会社の方は離職率も高く、逃げ出したくなるような会社のことを指すようです。なおかつ、温める会社が利益を出していないか、儲かっていないかと問えば決してそうでもなく、会社としても成長を続けていることが多いと言い切っています。

「人の幸せ」の追求が心を温めることにつながる

企業はお金という利益を出して成長し、従業員に分配することで、関わる人全ての生活を守っているとも考えることができますが、利益追求の目的を見失ってはいけないと訴えています。企業は利益を出さないといけないのだけども、お金という利益追求が目的になってしまっては本末転倒であって、決して人の心を温める会社にはなり得ない。

企業理念と活力の方程式
社会貢献 = 人の役に立つ = 従業員のやりがい

人の幸せとは何かを考えると「社会の課題を解決するための活動を行えること」が「誰かの役に立つこと」につながり「従業員の仕事へのやりがいにつながる」という流れが大切です。常にこの流れを見失わないように注意する必要があるということでしょう。

学習塾の事例 お金と人の優先順位

とある学習塾の例では、経営コンサルタントの指導によって会社の売上や利益は確かに向上したようですが、従業員のモチベーションが落ちて、離職率が劇的に向上したという例が掲載されています。

利益追求にこだわりを持っている経営コンサルタントが悪ということではないのですが、会社を支えているのは「人」なので、経営方針が大きく変わることによって、その会社に寄り添っていたそれぞれの「人」にとって、会社が魅力的ではなってしまうこともあり得るということですね。

学習塾の社長の方の気持ちとしては「利益を増やして講師の給料を上げたい」という気持ちから取り組む決断をしたわけなのですが、やり方を間違えると取り返しのつかない事態に陥る可能性があるということかもしれません。

一概に「会社の利益を増やす」ことは出来ません。会社は「お金」もそうですが、「人」を原動力として動いている以上、「人」を第一に考えることが出来なければいけないということかもしれませんね。

「第8章 温める会社の経営者の共通項」から学べること

共通項を列挙してみると

下田さんは8章で温める会社の社長さんの共通項を一覧しているのですが、こちらが勉強になりました。本書には詳しく説明が書かれていますが、軽くさわりだけ書いてみたいと思います。

  • 経営者自身が人格形成のために実践し、学び続けている
  • 「温める会社」の経営者はコーチやメンターをつけている
  • 読書家である
  • 心を磨く勉強会に参加している
  • 自らの高まりを周囲にシェアする
  • 良心を発揮した自分が一番心地よいことを知っている

人格とか人としての格付けとか、そういったものはまだまだこれから学んでいく必要があると考えていますが、もう少し軽い部分で私なりに感じる部分は以下のポイントですね。

学び方のプロセス

第8章を読んでいくとわかるのですが、実際に学びのプロセスを分解してみると以下のようになっていることがわかります。

1)インプット 勉強会への参加、読書、コーチ・メンター

2)アウトプット 自分なりにまとめ、他人にシェアする

したがって、以下のことが言えるかと思います。

  • 勉強会に参加して学びを深め続けよう
  • 読書をして学びを深め続けよう
  • コーチやメンターを見つけて学びを深め続けよう
  • 学んだことを文章などにまとめて考えを整理しよう
  • 学んだことを他人にシェアして考えを整理しよう

おそらく、上記を継続していくと「人」が少しずつ磨かれていくのではないかと感じましたね。

まとめ

本書はテクニック的な面についても、会社の中で発生し、解決してきた過去の事例をご紹介いただけるので実践的に学べる側面もありますが、何よりも人としてどうあるべきかとか、経営者としてどうあるべきかみたいな考え方の部分で学べる部分が多いように思います。

人が集まる会社で働きたいと考えるのが自然なところですが、技術力を高めようとしたり、利益を高めようとすると、その考えに相反するケースに直面することも多いと感じるので、そこでどのような判断を下して、自分や会社をどうやって前に進めていくかについては経営者の腕の見せどころかと思います。

私自身、まだエンジニアの方を採用できていないので、現状を振り返ってみれば経営者の端くれにもなれていない状況ではありますが、色々と学びや気づきを得ることができたので今後も継続的に努力を続けていこうと思います。

書籍のご紹介

人が集まる会社、人が逃げ出す会社

https://amzn.to/2IdZhZv

人材採用関連の書籍のレビューとしては以下の記事も書いていますので、もしよろしければ読んでみてくださいね。

https://flares.jp/digimag/direct-recruiting/

https://flares.jp/digimag/recruiting-branding/

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