調査・研究レポートReport

投稿日:2019年6月3日

三重混声合唱団あんだぁれ70演奏会を終えて

昨日、2019年6月2日の18時開演で三重混声合唱団あんだぁれ70の単独演奏会が公演されました。

今回の演奏会、はっきり言えば、第3ステージの曲目である「山に祈る」のためにすべてが構成されているといっても過言ではないと思えるし、この曲の威力は半端なかったと感じています。特に、朗読の矢田さん演じる母親から誠に向けた台詞についてはどれも圧巻でした。その朗読を含めて全体を歌いきった当団の団員も頑張り抜きました。

平均年齢70歳近辺の当団にとって、山に祈るの演奏時間である約30分間、朗読の集中の邪魔をしないように静かに立ちっぱなしでいることだけでも大変なことだったと思いますが、足と関節を痛めながらも最後まで集中力を維持して素晴らしい空間を作り出すことができていたかと個人的には思います。

テクニックなど、演奏の上手さ云々は置いておいたとして、ステージに乗っていた一人の人間としての満足感は今までの演奏会の中でも最も大きなものになったと感じています。演奏を聞きに来ていただいた方々にとっても、他ではなかなか聞くことができない曲目を聞く機会を提供できたので満足感は高かったのではないかと。

本番を歌ってみた感想、演奏曲目を添えて

第1ステージ 合唱のための6つのソング ワクワクより・ほほえみ/風のマーチ/ワクワク

信長貴富さん作曲の「ワクワク」の演奏は2回目だったので、音程、リズム、歌詞といった音楽を構成する各要素が十分に体内に入り込んでいて、あんだぁれの魅力を発揮できた演奏になったのではないかと感じました。今回新しく取り組んだ「風のマーチ」については最初から最後まで決然としたテンポで刻まれるリズムが特徴的で、曲の内情の変化はあるものの世界観の演出が非常に難しい曲であったと感じています。当団にとってはおそらく苦手な部類に入るでしょうね。

それに比べて、曲集の最後の曲にもあたる「ワクワク」については、世の中の常というか輪廻みたいなものを明朗快活なリズムに乗せて歌い上げることができる曲なので、団員の方々の人生の深みを十分に発揮できる素晴らしい演奏ができていたと思います。

第2ステージ オペラ・オペレッタによるソリストと合唱の心躍る名曲

  • 「こうもり」Ⅱ幕イントロダクション~歌え、踊れ!~
  • 「メリー・ウィドウ」~ヴィリアの歌~ ~シャンソン~
  • 「ガヴァレリア・ルスティカーナ」~間奏曲~
  • 「椿姫」~乾杯の歌~

第二ステージについては、音大・芸大出身のコーチ陣による合唱付きのソロもしくはソリでの演奏でした。第1ステージでは合唱団の魅力を十分に伝えることができたと思いますが、第2ステージでは西洋音楽史における遠い昔の時代からの一般庶民の間で愛されてきた喜歌劇(オペレッタ)や、貴族社会における娯楽としての歌劇(オペラ)から曲目選出で、第1ステージとはガラッと雰囲気を変えてお贈りすることができたのではないでしょうか。私を含めて、コーチ陣の演奏も力の入った演奏ができて、お客様にご満足を提供できるクオリティの演奏にはなったと感じています。第3ステージへのインターバルとしても楽しい時間が流れました。

第3ステージ 混声合唱組曲「山に祈る」

少しだけ裏側のことをお伝えすると、指揮者である馬場先生の指揮にピアノや合唱が気持ちついていかないところが各所あったので、ひやひやしながら歌っていた部分もあるのですが、それも最初のうちだけでした。「山に祈る」は登山に向かう息子の出発から山で遭難して死に至るまでの流れをストーリー仕立てで、息子の死後、母親が手紙を読みながら回想している格好で話が進んでいくのですが、物語が進むにつれて歌う側も集中力がどんどん高まっていって最後の「おかあさんごめんなさい」に到達したタイミングでは世界に没頭できる状況が出来上がっていたかと思います。

まとめ

演奏会の感想をアンケートにとらせていただいたのですが、非常に多くのアンケートをいただくことができ、あんだぁれ70への繁栄や今後の成長への期待など、地域の合唱ファンの皆様の温かい温情に触れることができたかと思います。

今の時代、10代、20代の世代については、合唱曲をはじめとしてクラシック音楽に触れようとする若者は極めて少ないと感じています。特にその中でも、地域における男性の歌い手不足の問題は顕著です。オペラの演目にしても、混声合唱曲にしても男性がいなければそもそも成立すらしません。「歌」というコンテンツを地域に提供する側に立っている身として、このままではいけないのだろうなぁと感じつつもまだ具体的なアクションには落とし込めていませんが、私の趣味でもあるWeb/ITの力を活用して何かしらの展開を打ち出していければと考えています。

コンピュータが発展途上であった過去にとって「歌うこと」は楽しみの代表選手の一つであったように思いますが、現代において人に「楽しみ」を提供する競合選手が他に多く出現してきています。なおかつ、うちの子共も例外ではないのですが、小さいころからiPadを与えられて忙しく暮らす親に相手にしてもらえない時は常にYouTubeが親代わりに子共が成長していく時代です。当然ながらYouTubeなどの動画媒体からの影響を多分に受けて現代の子供たちは成長していくものだし、世の中そうなっているということを受け止めて、僕たちも合唱をはじめとする音楽の在り方を見直すタイミングが今ではないかと感じています。

いずれにしても、過去を継続だけでは衰退する一方ですし、この大きな流れを変えることは絶対にできないと考えています。声楽をはじめとした音楽の技術を繋いでいくためには、私たちにも変革が求められているのでしょうね。今後も「歌う」ということを継続しながら、地域で頑張る歌い手と協力し、何かしらの「音楽の魅力を若い世代に届ける工夫」を見出していきたいと考えています。

これまでは「のほほん」と歌い手として活動してきたつもりでしたが、三重の音楽業界を牽引する立場のお心に触れ、それらを理解しようとすると自分に覆いかぶさっている期待のようなものもなんとなく感じることができていますので、Web/ITと音楽という二つの柱を育ててきた私にしかできないことを何かしらできればと心には決めています。後はグダグダ言ってないで、決然と行動し、結果を出すだけですね。

団員募集中

あんだぁれは現在団員を募集しています。団員は音大・芸大卒のコーチ6名体制で充実した指導体制を構築しており、合唱指導を通して音楽の技術を高め続けることができます。今回の演奏会は、あんだぁれ70の単独演奏会でしたが、三重県内外の音楽団体とコラボレーションをしながら毎回の演奏会の企画を練り続けていますし、今回もイタリアの歴史ある大聖堂での演奏旅行などもあり、個人ではなかなか経験のできないイベントが盛りだくさんです。

私は現在34歳ですが、はっきりお伝えすると団員の平均年齢は70前後で団全体としての年齢層はかなり高いと言えるでしょう。でもこれは時代の流れである以上個人の力ではなかなか解決することが難し問題ですね。歌い手にとって年齢は関係ないということは事実だと思いますし、歌に乗せて会場にみなさんに気持ちを伝播させていく快感は歌い手だけの特権です。

それでも、音楽を次の時代に一緒につないでいける仲間を私たちは求めています。そこで、僕たちと一緒に地域の音楽シーンを盛り上げていきませんか?

歌う喜びを皆で共有し、音楽のある暮らしを通して、生活に彩を添えてみるのもよいのではないかと思います。詳細は以下のページをチェックお願いします。

https://andare70.jp/recruit/

上記、ちょっと重たいんじゃねえの?と思われるかもしれませんが、音楽が消えてなくなってしまわないように時代を繋いでいかなければならないのは、私たちの世代の責任ですからね。これマジでリアルなところです。ほら、ボケっとしてないで一緒に社会貢献しましょう。楽しいですよ。

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