調査・研究レポートReport

投稿日:2019年5月26日

学校教員の非常勤講師の事例|仕事の評価と時短勤務と業務品質担保の両立

最近は働き方の多様化として、時短勤務など働き方の幅が広がりを見せていますが、時短勤務で仕事のクオリティをきちんと担保できていると断言できる方はどのくらいいますか?

仕事のクオリティを担保できると断言できる方がいるとすれば、求められているクオリティがどのくらいという基準が明確になっていて、その基準を十分に満たせていると言い切れると考えているということだと思います。

さて、今日は学校教育現場における仕事の評価と時短勤務と業務品質担保の両立というテーマで記事を書いてみたいと思います。

求められる仕事のクオリティ

どこまででも時間を投資できる仕事のクオリティ

例えばウェブ制作において、コーディングの仕事というものはクオリティの担保がそれなりに簡単です。簡単とは言えども、年々求められる業務量は多く品質は高くなっていくので簡単という言葉一つで片づけられるものではありませんが、それでも、デザイナーの仕事は方向性を決めたりデザインテイストを決めたりといった「決め事」が多い分、かかる時間が予測しずらい領域だと考えることができますが、コーディングの仕事はデザインをコードという形に落とし込むことができれば終わりなのでそれ相応にある程度かかる時間を想定できるといえばできるでしょう。

皆さんはプロ意識を持っていますか?

社会人1年目に職場の先輩に言われた言葉は「お金をもらって働く以上はプロなんだから新人だからといった言い訳は通用しない」というありがたいお言葉を頂いたのを覚えていますが、お金をいただく以上は求められるスペック以上の仕事をする必要があるという考え方ができます。

この言葉は魔法の言葉で、仕事がすごく出来る人が多い職場でこの言葉が発せられる時の言葉の重さは相当なものです。できる人と同じスペックの仕事をしろといわれているようなものですからね。

逆に、仕事ができない人しかいない職場でこの言葉が発せられても大したストレスにはならずにみんなで頑張りましょうみたいな雰囲気なることも多くあると思います。

時短勤務者に求められる仕事のクオリティ

時短勤務者に求められる仕事のクオリティとしてもフルタイムの方と比較して同じ水準を求めるかどうかという考え方があります。

学校の先生の非常勤講師を例に見てみる

学校の先生という仕事を選ぶとして、家庭の事情などわけあって非常勤講師というポジションで仕事をするとなったとすると、業務時間は限られた1日4時間程度。

学校という教育サービスを展開している組織で働く上で、フルタイムの先生を圧倒的に違うところは、時短勤務であるが故の子供がまだ学校にいる時間帯に帰宅しなければならないことが大きいでしょうね。そうすると何が起こるかといえば、顧客である子供がいる時間帯には担任の先生などの手が空かないので、コミュニケーションが円滑に取ることができないといった問題が発生するわけですが、そのコミュニケーションの課題を解決するための手立てが十分に準備されていないのが現状です。

また、仕事の品質一つとってもそうなのですが、非常に仕事ができる先生から見ると、もっとできるだろうと感じていても、時短勤務では絶対的な時間が足りなくてなかなか実現が難しいといったことが多いかもしれません。

授業という限られた時間の枠を使ってまずは決められたカリキュラム通りに授業を進めていくわけではありますが、当然ながら課題を早くクリアできるクラスにとっては更に課題を深堀することが重要なわけです。これは先生側としても準備なくしては深堀するための授業を行うことができません。当然ながら準備時間の不足が授業の質の低下につながってしまうケースがある考えても過言ではないでしょう。

授業案は自宅で夜考えればいい

学校で考えられない分、その時間をどこかで担保する必要があるのですが、当然ながら授業案を考える必要性があるわけで自宅で夜遅くに考える以外に道はありません。

しかし当然ながら授業案を考えている時間分の給料はつかないし、ボランティア的な側面もあると言えるでしょう。そして、個人的な感覚値としては多くの時短勤務者は仕事のクオリティを担保するためのこれらの時間を割いていないのではないかという疑問を抱いています。実際はどうかわかりませんが、仕事をちゃんとやるという意識が欠如しているケースが増えて生きているのではないかなぁと感じています。時間を提供すればOKで、コンビニ店員みたいな感覚で仕事をするケースですね。

とは言っても人手不足なのが現実なので、そう簡単に課題は解決できません。

授業案をちゃんと考えるための制度と対策

授業案を考えるための時間を申請できるようにすべきだと個人的には考えています。当然ながら授業案をきちんと評価する制度が学校の先生には必要です。授業の狙いや目当てのようなものを明確にしてから授業に取り組む必要性は過去から言われていることだと思いますが、これらを十分に取り組むことができないほど品質担保が難しくなっているのではないかと考えているからです。

非常勤講師という立場であっても、授業案の提出と評価を金額換算して義務化すべきだと個人的には考えています。そのくらいやらないとどんどん仕事の品質が落ちていくのは目に見えています。その上で学年一丸となって必要なことを全力でサポートするといった立ち回りにして、全体が一つになって取り組む土壌を作る必要があるのではないでしょうか。

時短勤務者のコミュニケーション不足を解消する

授業の品質担保の課題とは別にもう一つ課題が明確になっています。それは、コミュニケーションが円滑ではないという問題にどう対処するかです。

学校の先生という職種は毎日の教育現場で起こる問題をリアルタイムに情報共有し、対策を講じていくことが必要ですが、放課後をはじめとした情報共有タイムが持てないために情報が非常勤と常勤の間で滞るということが実際に起きていると感じています。

私たちウェブ制作の業界では、コミュニケーションツールとしてチャットワークやSlackなどを会社として導入し、スマホからそれらを利用することは当たり前になっていますが、学校現場においては、いまだにものすごいアナログなコミュニケーションが図られのが現実でしょう。現代の仕事人としてはありえない状況だと言えると思います。

いますぐ全校的にSlackを導入し情報共有を図るための土壌を整えるべきなんじゃないのかなぁということを考えていましたが、当然ながらITリテラシーがあまり高くない方々が利用するため情報セキュリティに対する考え方の部分などの教育も必要なので、順を追った導入が必要だとは思います。いずれにしても、アナログなやり取りで仕事の質が担保できる時代は終わっているため、いち早くコミュニケーションを円滑にするための土壌となるICTを活用した対策を講じるべきだと感じています。

まとめ

上記みたいなことを妻の話を聞いていてなんとなく把握できてきているので早速市議の方にメッセージしてみました。ご多忙のようでちゃんとご対応いただけるかどうかはわかりませんが、私なりに出来ることをしていこうと考えています。私が情報システム担当として教育委員会で働けるなら色々とやりたいことはあるのですが、そのような時が来るかどうかはわかりません。

年齢層も高めの方が働いている学校教育の世界においても、ICTの問題もされど、授業の品質担保の問題もどうかと思うことが多々あります。授業の品質を担保することはそう並み大抵の神経でできることではありませんが、相当努力しないと実現できないことですからね。教員間の馴れ合いみたいな横の繋がりだけを重視するあまりに、仕事の品質が担保できていなければ本末転倒ですし、そもそも求めるべき品質が低ければ話になりませんから。

非常勤などの時短勤務者であっても完璧な仕事をこなせる人材は少ないと思いますが、モデルとなる仕事の仕方が公開されているとわかりやすくて良いのではないかとも考えています。学校で働く一人の人として、あるべき姿が明確になる将来が来ると良いですね。個人的にはもっと競争を楽しみながら1番を目指そうぜってことが気軽に言い合える環境がベストだと感じています。

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