調査・研究レポートReport

投稿日:2019年5月8日

アフターデジタルな未来を想像してみる

「アフターデジタル」という書籍を読んだので「なんとーっ!」と感じた部分だけ感想にします。

アフターデジタル

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OMO(Online Merges with Offline)

中国のOMO事例

オンラインとオフラインの主従関係が逆転し、基本がオンラインでリアル接点となるオフラインはチャネルの一つに過ぎないという位置付けになる考え方のことをOMOと言います。OMOはてデータ先進国である中国では既に主流となる考え方になっていて、アリババグループなど膨大な顧客データをもとに新しい形態のビジネスを実現しています。参考例として、以下の企業が挙げられています。

  • タクシー配車アプリ/ディディ
  • 保険会社/平安保険グループ
  • OMO型ネットスーパー/フーマー
  • 自動車業界向けオンライン媒体/ビットオート
  • シェアリング自転車/モバイクとハローバイク

ディディの事例

いずれの事業も全てオンラインとオフラインがつながっていて、現状の日本国内にないようなユーザー体験を提供できるエコシステムを構成しています。

タクシー配車アプリのディディを例に挙げみると、タクシードライバーは業務中常に状況を監視するためのアプリを立ち上げた状態になっており、状況を常にモニタリングされている状況になっていて、良い行動を積み重ねていくと評価が高まり報酬などが良くなっていくシステムが構築されています。

昔ながらのRPGゲームである「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」のように良い行動をすることによって経験値がたまりレベルアップしていく様によく似ていますね。

顧客接点を持ち顧客のデータを蓄積できる企業が優位に立つ時代

いずれの企業も顧客との接点を持っていて、すべての顧客接点がモバイルアプリによってデータ化されています。これらを蓄積し、分析することによってユーザー体験を迅速に改善する循環を作り出すことができる企業が勝つ時代が来るとのことでした。

この考え方に立つと製造業などの作り手は顧客データを持ちえないので、製品やサービスの質を上げていくために顧客データを持っている企業と連携する必要があり、顧客データを持つ企業の言いなりになり下がってしまう恐れなどが懸念されています。これまでは作り手の強いサプライチェーンやバリューチェーンの時代でしたが、これからはバリュージャーニーの時代と言えるでしょう。

シンプリファイズ・ザ・ワールド

レジの無人化によってもたらされるもの

無人化のイメージとして冷たいとかそういったイメージを先行する可能性は否定できないのですが、中国の事例によると、業務が効率化がされてコストが下がるといったメリットよりもレジなどの価値を生まない単純作業を削減できることによって、人と人との暖かなコミュニケーションへの時間を多く割くことができることによって、より人間味あふれる世界が構成されていくということが書かれていました。

実際に淘汰されていないサービスを見てみると、どのサービスも無人と言いながら人を配置していて、無人による省力化がなされた分だけ別の価値をユーザーに提供できる状況を整えて価値を向上させた企業だけが生き残っていると言えそうです。

機械化によるヒューマナイズドと教育への接点

上記の考え方を教育機会へ応用すると、対面での講義の場合には、必要がなくても全部聞く必要があったりして個別対応が難しい部分が多いのですが、これをYouTubeなどの動画による教育に置き換えることによって必要のない教育コンテンツをスキップしたり、何度も見返したりすることができるという意味で学習の質向上が実現でき、またこれらのインプットを自宅学習で終えることによって、学校など人が集まる場所で行われる取り組みとしては、ディスカッションなど人と人がそこに同時に存在することによってこそなしえる活動に注力することができるといった取り組み方への変化がみられるとのことでした。

現状の日本の教育を考えると、日々のオペレーションを回すことで精いっぱいで上記の考え方を取り入れるところまでは全然達していなかったり、動画などを扱うだけのリテラシーを備えた人材の不足からしても、一気に移行していくことは不可能だと考えられますので、現実的に考えるとまだまだ時間がかかるといったところが実際のところかもしれませんね。

まとめ

そこまで分厚い書籍でもなくて3時間程度でサクッと読めてしまうので、現状の中国がどんなもんなのかということを知ることや、ビフォーデジタルとアフターデジタルという時代の前後を把握することによって、今後の事業の進め方に違いが出てくる可能性は否定できません。

私たちエンジニアはこれらを実現する技術を常に自分たちで試してみたり、顧客に提案することをしていかないといけないため必死に追いついていく必要があるのかと感じています。

とりあえず自分が住む三重県で展開する予定の自分のウェブデザインや情報処理の学習教育の事業においては、上記を参考にしてビジネスモデルを少し組み替えて実行してみようとも思えるようになってきました。今年1年はサービス作りの年として勝負の時ではありますが、来年以降の営業展開においてもまだまだ頑張りどきが続きますね。

みなさんもよかったらアフターデジタルの書籍を手に取ってみてください。きっと発見が得られると思います。

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