調査・研究レポートReport

投稿日:2019年3月13日

ブラックハットではない被リンクによるSEO基礎|被リンクとサイテーション

近年は「ユーザーにとって有益な情報を届けることが大切」ということでコンテンツマーケティングの重要性が注目を集めているように感じます。これらコンテンツマーケティングやコンテンツSEOをはじめとするホワイトハットSEOの方が一般的に良いイメージがありますが、一方で外部サイトからのリンクを獲得することによって評価が高まるといったブラックハットの側面を持つ「被リンク」についてもまだまだSEO施策としては現役です。

今日は「被リンクとサイテーション(引用)」をテーマに学んでいきたいと思います。

被リンク

被リンクとは外部サイトよりa要素によって引用されることを指します。

被リンクの4要素

被リンクには以下の4要素が含まれ、相互作用し合っています。

  • リンク元ページの評価
  • リンク元ページのリンク掲載状況
  • リンク元ページとのコンテンツの関連性
  • リンクが掲載されてからの経過時間

リンク元ページからの評価

リンク元ページの評価によってSEOへの効果が異なると言われています。主に以下の2つの要素からなっています。

  • より質の高いページからの被リンクの方が効果が高い
  • 被リンクの数が多ければ評価が高まる

リンク元ページのリンク掲載状況

ユーザーの利便性が考慮されたリンクの方が評価が高まりやすいとされています。

それらの評価は以下の4項目からなります。

  • アンカーテキストのサイズ、色、書式など
  • アンカーテキストの単語数
  • リンクの位置(メインコンテンツの評価が高く、ヘッダーやフッターなどその他が低い傾向にある)
  • リンクの商用度(アフィリエイトなどは評価が下がる)

リンク元ページとのコンテンツの関連性

Googleの自然言語解析の技術によってリンク元とリンク先のページを解析し、関連性を比較した結果、関連性が高いと判断されると評価が高まるようです。全く関連性のないコンテンツからの被リンクに関しては、関連性の高いページからの被リンクに対して評価が下がる可能性が高いと言えそうです。

リンクが掲載されてからの経過時間

リンクが掲載されてからの時間のことをリンクエイジと言います。一般的には掲載されてからの時間を長く経過すると情報が陳腐化したと判断されることによって被リンクの評価が下がると言えそうです。逆に新しい獲得したリンクについては評価が高い状態からスタートすると考えることができるでしょう。被リンクも鮮度が大切ということですね。

サイテーション

SEOにおけるサイテーションとは、a要素ほど直接的ではない暗示的な引用を示す概念で、以下のものを含みます。

  • nofollowが付与された被リンク
  • ブランド名、会社名、店舗名、サービス名、住所、電話番号など
  • a要素ではないURL

上記によるサイテーションによってサイトやページの評価に繋げていくためには、サイテーションされたブランド名やURLなどが特定のURLを紐づけて検索エンジンに認識される必要がありますが、そのままでは紐づけての認識は行われません。したがって以下の対応が必要になります。

サイテーションとウェブサイトを紐づける方法

構造化マークアップを行う

企業や組織として構造化マークアップを行うことによってNAP(名前、住所、電話)とURLに紐づけを行い、検索エンジンに認識させることが可能となります。

ソーシャルメディアの企業アカウントを作成する

SNS(ソーシャルメディア)の企業アカウントを作成することによって検索エンジンに企業情報とURLの紐づけを行うことが可能です。SNSアカウントを作成する際に企業のURL情報も一緒に登録しておきましょう。

Googleマイビジネスへの登録

企業や店舗などの場合にはGoogleマイビジネスを登録することによっても検索エンジンに企業情報とURLの紐づけを伝えることができます。Googleマイビジネス経由での流入など、SEO効果も高いので必ずアカウントの作成を行った方が有意義になると思います。せっかくなので、名古屋駅前にあるベースキャンプを運営しているApplepleさんがGoogleマイビジネスのSEO効果を検証したページがあるのでご紹介しますのでご確認ください。

店舗を持っているのなら Google マイビジネス をしっかり運用しよう
https://www.appleple.com/blog/googleMyBusiness201802.html

IndeedやWantedlyなどその他のメディアにも掲載する

ここまで上記で説明してきた要領でその他のサイトにもどんどん登録を行っていきましょう。実際に様々なサイトに登録を行うと管理運用が大変になるという側面もありますが、ウェブ担当者がいる会社であれば、きちんと登録運用リストを作成して各サイトへの登録を行うことによってサイテーションによるSEO効果を得られる可能性が高まります。

リンクビルディング

自社サイトやサテライトサイトからの被リンク

  • サービス紹介ページからリンクを掲載する
  • お知らせやブログからリンクを掲載する
  • 自社で運営する本サイト以外のサイト(サテライトサイト)からのリンクを掲載する

サテライトサイトからのリンクのSEO効果には上限がある

Googleによるとサテライトサイトかどうかの判断は以下の項目から行うそうです。

  • リンク元とリンク先のウェブサイトが密接にリンクしているかどうか
  • 同一セッション内で両方のサイトを閲覧しているかどうか
  • ドメイン名が同じかどうか
  • IPアドレスの第1~2オクテットが同一かどうか

これらの条件に当てはまる場合、すなわち同じ運営者によって運営されているかどうかが判断できる場合には、SEO効果に上限値を設けるということです。Googleが2004年に取得した特許に上記内容が含まれるそうです。

被リンク生産を目的とするサテライトサイトはペナルティを受ける可能性がある

過去にサテライトサイトを大量生産して相互リンクによるSEO効果を狙ったハックがあったと思いますが、それらを受けての対策だと思われますが、大量にサイトを立ち上げて相互リンクさせると問題がありそうです。きちんとユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供することを目的としたサイトの立ち上げが必要だと思われます。

問題があると判断される要素(ブラックハット寄り)として以下の項目があるのでご確認ください。

  • 被リンクの多くがトップページに集約されている
  • アンカーテキストが同じものが圧倒的に多い
  • サイトの種類が同じ(例えばサテライトサイト生産用のブログが量産されているなど)

他社サイトによる被リンク

リンクベイトとリンケラティ

他社サイトから被リンクをいただくにはリンクされやすい要素を持った記事やページが必要になり、これらリンクされやすい記事のことをリンクベイトと言います。また、リンクベイトを訴求する対象としては自分のブログを持っているブロガーやソーシャルメディア活用におけるインフルエンサーなど、情報発信力を持っている方々が対象となってきます。これらの情報発信の術を持っている方々のことをリンケラティと呼びます。

リンクベイトを狙える記事

リンクベイトを狙っていくにあたっての参考例として以下があります。

  • まとめ記事
  • 一次情報記事
  • 流行記事
  • ユーモア記事
  • 煽り記事
  • 攻撃的記事

攻撃的な記事や煽りなどはリスクもあるので使い方が難しいと思います。上級者向けですね。また、嘘の情報を拡散する「フェイクニュース」はSEO的には逆効果になる可能性が高いとのことなので、絶対に行わないようにしましょう。アクセスや被リンクを増築できたとしても逆効果になってしまうリスクの方が大きいです。

ソーシャルメディアによる被リンク

被リンク獲得に当たってソーシャルメディアを活用するにあたっては基本的にはリンクベイトからの拡散が基本なので、リンクベイト記事のページに拡散用のボタンを設置すし、OGPなどのリンクをソーシャルメディアに張り付けたときにリッチな表現になるような配慮を行うと効果的だと思います。というよりも現在のSNS対応としての基本ですね。制作において、このレベルの対応ができていないと手を抜いたという評価にすらなりそうです。

企業でのソーシャルメディアアカウント運用

以下の項目は参考例ですが、これらをソーシャルメディア運用ポリシーとしてまとめ公開することによってトラブルの発生を未然に防ぐことが容易になります。ソーシャルメディアは強力なマーケティングツールでもありますが、マイナスの発信や使い方をすることによる逆ブランディング効果も大きいので、企業でシーシャルメディアを運用することによるリスクを最小化する努力も必要という認識を持つ必要があるのではないでしょうか。

  • 企業でソーシャルメディアアカウントを運用する上で注意すべきポイントを以下にまとめますのでご確認ください。
  • 社外秘が漏れないように注意する、社外秘情報は発信しない
  • 個人情報やプライバシーへの配慮は必須、個人情報は発信しない
  • フォローやいいねは誰の責任で行っているかわからなくなるので基本的には行わない
  • コメントの返信は全員には行わない前提を明確に周囲に対しても示す
  • 不適切なコメントは削除などの運用を行う
  • ダイレクトメッセージには返信しない
  • ユーザー間のトラブルやユーザーの発信に対する責任を負わないことを明示する

まとめ

被リンクの作り方にもいろいろありますので、自社サイトなど自社の影響の及ぶ範囲におけるリンクビルディングは基本的にはきちんと行っていくこともSEO効果に繋げていくことが可能ですし、リンクベイトによる他社サイトやソーシャルメディアなどからの被リンク獲得にいかにしてつなげていくかということが大きなテーマとなってくると思います。

私もこのブログを運用している範囲で色々と感じるところはありますが、被リンク獲得にはまだまだつながっていないため、今後はユーザーにとっての利益をもっと意識して、拡散などを意識した記事も少しずつ書いていこうと思います。

参考書籍のご紹介

現場のプロから学ぶ SEO技術バイブル

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非常に良くまとまっていて現代のSEOについて全体的にざっくり把握するためにはとても参考になる書籍です。ざっくりとは言いましたが、内容は非常に深いので満足感はかなりあります。また、非エンジニアの方など、技術に精通していない方にとっては少し荷が重い書籍になるかもしれませんのでその点だけご注意ください。素晴らしく参考になる良書です。

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