投稿日:2019年3月6日
SEOを意識したサイト構造とリンク構造の作り方
今日もSEO関連の内容です。SEOを行う上で重要と言われているサイト構造やリンク構造に関して、簡単にまとめてみたいと思います。
整理されたサイト構造が重要
サイト構造を考えるうえでポイントとなるのは「整理を行う特定の軸に沿って整理すること」と「徐々に細分化すること」の2点となります。それではそれぞれのポイントについてみていくことにします。
- 整理を行う特定の軸に沿って整理すること
- 徐々に細分化すること
整理軸に沿って整理すること
例えば Amazon.co.jp を対象に優れたサイト構造とはどのようなものかについて考えてみることにしましょう。以下のページが全てのカテゴリが掲載されているページになりますのでご確認ください。
Amazon – すべてのカテゴリ
https://www.amazon.co.jp/gp/site-directory?ref_=nav_shopall_btn
上記のトップレベルのカテゴリには次のものが並んでいます。
- Prime Video
- Kindle 本&電子書籍リーダー
- パソコン・オフィス用品
- ドラッグストア・ビューティー
- 本・コミック・雑誌 & Audible
- …
Amazon.co.jp は商品を販売するためのウェブサイトで、一般的にはEC(ECommerce)サイトなどと言われています。ECサイトでは販売している商品を分類し、各軸に沿って商品を紹介している場合がほとんどだと思いますが、Amazonの場合にも上記のようにMECE(ミッシー:漏れやダブりがないこと)なサイト構造になっています。これはお客様の会社のウェブサイトなどを制作するときにも同様に言えることで、サイト構造を整理する上での基本的な考え方となります。
上記の例では、「用途別」にAmazonが考えたカテゴリ構成によって商品が分類されていると言えるでしょう。お客様が何にその商品を利用するのかという視点で整理するユーザー起点のサイト構造の分類の方法は現在の主流になっていると考えてよいと思います。
抜け・漏れがあると評価を得られない
抜け・漏れがあることによって、検索エンジンがサイトをたどる経路が減ることにもつながり、検索エンジンがインデックスする回数などが減少することや、内部リンクの数が減少することによって結果的に上階層にあるページのパワーが減少し、検索順位が低下するといった流れが考えられます。したがって、網の目を張り巡らせるようにサイトを分類し、様々なユーザーニーズを満たすことができるサイト構成を構築することによって、サイトを利用するユーザーにとっても検索エンジンにとっても利用しやすくなり、結果的に検索順位の向上に影響すると考えられます。
その他に基本的には抜け・漏れがあることによって、そのキーワードに対する対策ができないため、流入ユーザー層のうち一定の層を取り逃すと考えることができます。したがって、カテゴリなどのサイト構成については抜け・漏れの無い構成を考えることが非常に重要と言えると思います。
重複のあるコンテンツのペナルティ
また別の記事でもご紹介しようと考えていますが、重複のあるコンテンツはSEO的観点において、ペナルティを受ける可能性が高くなります。また、同じ内容のぺージにもかかわらず複数のページに分割されることによって各ページに評価がわかれることにもつながってしまいます。なので、重複のあるコンテンツを作成しないように注意する必要があるでしょう。
具体例を挙げるとすれば、例えば「PC」カテゴリと「パソコン」カテゴリなど、同じ内容のページを作成するとペナルティの対象になると考えられます。
徐々に細分化すること
徐々に細分化することについてみていくと、例えば「パソコン・オフィス用品」カテゴリの中にはさらに小分類のカテゴリが並んでいます。以下のようなものです。
- パソコン・タブレット
- ディスプレイ・モニター
- プリンター・インク
- キーボード・マウス・入力機器
- 無線LAN・ネットワーク機器
- PCパーツ・CPU・内蔵HDD
- 外付けドライブ・ストレージ
- SD・microSDカード・USBメモリ
- PCアクセサリ・記録メディア
- ゲーミングPC・関連アクセサリ
- すべてのパソコン・周辺機器
- ビジネス・オフィス
- セキュリティ
- 画像・映像制作
- PCゲーム
- ダウンロード版
- SaaS (ビジネス向けサービス)
- すべてのPCソフト
- 文具・学用品
- 事務用品
- 筆記具
- ノート・メモ帳
- 手帳・カレンダー
- オフィス家具
- オフィス機器
- すべての文房具・オフィス用品
このように特定のカテゴリをさらに深堀したカテゴリ構造によって分類を深めていくこと、すなわち細分化しながらページを整理していくことによってウェブサイトを利用するユーザーにとって目的のページを探しやすくなるといった利点に加えて、検索エンジンなどのロボットにとってもページを認識したり理解することが容易になるといったメリットがあると考えられます。検索エンジンにとって利点のあるサイト構造になるとロボットが巡回しやすくなるなどの利点が考えられ、検索順位の向上に一定の効果があるとされています。
カテゴリの分類方法
サイト構成を考える上での分類方法として「What」「Why」「How」の3つの分類方法があると一般的には言えそうです。これらを組み合わせてサイトを設計することによってより幅広いお客様のニーズをとらえることにつながり流入アップにつなげていくことが出来そうです。項目が多すぎてユーザーの選択の負荷を上げすぎないような工夫が必要ですが、より幅広いお客様のニーズに応えることができるサイトを作りたい場合などには利用できる考え方だと思います。
どの分類のしかたも一長一短なので、何が良くて何が良くないというものではありません。それでは、それぞれについて見ていくことにしましょう。
Whatによる分類
これはAmazonのカテゴリ構成の考え方と同じです。販売している用途や目的に応じて分類することによって、ユーザーにとってわかりやすい分類を行ことができます。一般的にはWhatによる分類を採用しておけばまずは問題ないと言えるでしょう。
Whyによる分類
お客様が抱える課題に対する答えを分類していくことによって、「〇〇してほしい」などのお客様の二―ズに寄り添ったサイト構成にすることが可能です。主に、お客様の課題を解決することが目的であるFAQ(よくあるご質問)サイトにおいてはWhyによる分類を行う場合が多いと考えられます。
Howによる分類
一つの目的に対してそれらをかなえる方法をブレイクダウンする形で分類していく方法です。例えば「家庭のイベント」にフォーカスした場合には「クリスマス」「お正月」「ひな祭り」などのように分類していくことが可能となります。
URL構造の基本
ここまでは、サイト構造に関するお話でしたが、ここからはURL構造に関するお話です。サイトの構造が決まったら各ページのURLを決定する必要があります。SEO的な観点から一般的にどのようにURLを決めることができると効果があると言われているか見ていくことにしましょう。
人間にとってもわかりやすいURLにする重要性
例えば、SNSでサイトのURLを他人にシェアすることを考えると、コピペでペタっと貼られたときに英語で短い文章になっていると日本人にとってもなんとなくページの中身を想像することが容易になるのではないでしょうか。例えば「/products/white-shorts-abc/」というページの場合には、ABCという名前の白いTシャツのページだということがなんとなく想像できます。
逆のパターンを考えてみると、ページIDなどで構成された「/products/123/」というURLの場合には製品のページであることはわかりますが、その製品が何の製品なのかは想像することができません。なので人間の目に触れたときに理解しにくいと言い換えることが出来そうです。
日本語文字はURLにするときに人間が理解できない文字の羅列に変換されてしまう
日本語の文字をURLをとして利用するとURLエンコードという処理が走ることによって英数字の羅列に変換されてしまうことが良くあります。例えば「あいうえお」という言葉をURLに変換すると「%e3%81%82%e3%81%84%e3%81%86%e3%81%88%e3%81%8a」という文字列に変換されてしまいます。こうなると人間には何の言葉を表しているのかもはや理解することができません。
人にとって有益なものを検索エンジンは高く評価する
Googleが検索エンジンの仕様を考えるときのポリシーとして基本的に押さえておきたいことは、一般的には「人間にとって使い勝手の良いものの評価を上げている」ということです。人間にとって利便性の高いと考えられるURL構造は検索エンジンにも高く評価される可能性が高く、逆にそれを理由に評価を下げられる可能性は下がると言えそうです。
「URLは英語で短く端的に表現すること」が重要と言えるでしょう。
英語で作るURLの基本
上記でも書いた通り英語が基本となりますので、英語を使ってどのようにURLを決めるのが一般的に良いかについてですが、一般的には以下の4点について注意すれば良さそうです。これ以上も以下でもありませんので基本として覚えておいてください。
- 英語で表現する
- 短く表現する
- 全て小文字で表現する
- 単語間はハイフンでつなぐ
Googleアナリティクスで解析するときにも何のページかがわかりやすい
英語で短い文章としてURLを作成すると、GoogleAnalyticsなどを使ってページを解析するときにもどのページが何のページなのかを把握しやすくなります。これが上記でアンチパターンとして挙げた「/products/123/」のようなURLの場合には、そのURLの内容を確認するまではそれが何のページなのかを知ることができません。こういった側面からも英語で短くURLを構成する方法をお勧めします。
リンク構造の基本
リンクの分類と主な用途と効果
URL構造が決まったら今度は内部リンクについて考える必要があります。内部リンクの基本としては、以下の3つに分類することができます。
- グローバルナビゲーション
- パンくずナビゲーション
- コンテンツフッターナビゲーション/サイドナビゲーション(ローカルナビゲーション)
グローバルナビゲーション
グローバルナビゲーションとは、全てのページに統一的に設置されているサイト内の種類の違うページに移動するためのナビゲーションのことです。サイト全体を横断的に移動するためのナビゲーションとして、サイト全体の形をわかりやすくグローバルナビゲーションとして構成することによって、検索エンジンにとってもそのサイトの形をわかりやすく伝えることが可能となります。
パンくずナビゲーション
パンくずナビゲーションとは、ページの階層を表現しながら、上位ページやトップページへのリンクを設置したものを言います。こちらも基本的には全てのページに設置することによって、該当のページが階層的にどのページの下層に当たるものなのかを明確にすることができ、サイト全体の階層構造を検索エンジンが把握する際に役に立つと考えられます。もちろん人間にとっても現在のページがどのカテゴリに属するページなのかを把握する助けにもなりメリットがあると言えるでしょう。
コンテンツフットナビゲーション/サイドナビゲーション(ローカルナビゲーション)
コンテンツのフッター部分に設置されているナビゲーションや、下層ページのサイドバーに設置されているナビゲーションは、通常現在のページと同じカテゴリに属するページへのリンクを提供する場合が多いです。例えばAmazonの例では、PCの商品ページのコンテンツフッター部分には他のPCの紹介がずらりと並んでいるのがわかるかと思います。
人間としても関連する商品の情報を得る助けにもなりますし、検索エンジンとしても、同階層のコンテンツを巡回することや上位ページの評価を高めることにもつながると考えることが出来そうです。
リンクの正規化
例えばFLARESのウェブサイトのトップページのURLは現在「https://flares.jp/」です。これが「https://flares.jp/index.html」「https://flares.jp/index.php」「https://flares.jp」などのように分断してしまうとページの評価も分断されてしまうと言われています。したがって、ページの評価を高めるためにはどれか一つのURLにアクセスを集める必要があるという点に注意が必要ですし、どのURLが正しいものなのかということを示すことが必要です。
このほかにSSLの有無によってもページの評価が分かれる可能性があるため、httpsのサイトなのか、httpのサイトなのかも明確にしておきましょう。現在では無料でSSLを利用できるサーバーも増えているため、基本的にはhttpsでサイトを公開することが基本と言えます。
基本的にはリンクはa要素で行う必要がある
HTMLの話が少し入ってきますが、a要素はリンクを表現するための要素です。したがって、リンクは基本的にはすべてa要素で表現する必要があります。
ただし、a要素の他にもページを遷移する方法はいくらかあるのが現実です。例えばJavaScriptを使用することによってセレクトボックスを切り替えたときにページを遷移させたりだとか、フォームを送信したときにページを遷移させるということも可能なのは可能です。しかし、これらのリンク方法に関しては、Googleの評価が遅延する可能性があったり、評価されない可能性などもあると言われていますので、基本的にはすべてa要素としてリンクを表現することがGoogleなどの検索エンジンに正しくリンクを伝えるための方法としてこれを守る必要があります。
まとめ
以上がサイト構造とリンク構造に関する簡単な説明でした。ウェブサイトを制作する上でSEOを意識してサイトを設計する重要性は日に日に増すばかりです。SEOのことを知らないままサイトを設計していては、集客面でのアドバンテージを得ることも難しくなるでしょう。ソーシャルメディアの活用など、Googleなどの検索エンジンに頼らないウェブ集客の手法もありますが、依然として検索エンジンなどによる自然検索からの流入は集客経路としては太いパイプであるという事実は昔も今も変わりません。
今後のブロックチェーンなどの新技術の動向は気になるところではありますし、YOUTUBEなどの動画メディアなど新しい媒体の動きも気になりますが、テキストや画像で訴求するための従来のSEOコンテンツもまだまだ現役であることには変わりありません。今は大手企業などが組織的にページを制作しまくっているというSEO業界的な動きもあり、検索順位を上位にあげることが昔よりも難しくなっているとは言われていますが、ローカルビジネスにおいてはその影響力も限定的なことが多いと考えています。日本国内・海外に目を向けると多くの競合と戦う必要性もありますが、地域戦略におけるローカルSEOとしてのウェブ活用の成果を見出し、地域のお客様に向けてウェブ集客のサービスを提供できる未来に向けて、今後も一歩ずつ着実に進んでいこうと思います。
参考書籍のご紹介
現場のプロから学ぶ SEO技術バイブル
非常に良くまとまっていて現代のSEOについて全体的にざっくり把握するためにはとても参考になる書籍です。ざっくりとは言いましたが、内容は非常に深いので満足感はかなりあります。また、非エンジニアの方など、技術に精通していない方にとっては少し荷が重い書籍になるかもしれませんのでその点だけご注意ください。素晴らしく参考になる良書です。