投稿日:2019年2月5日
三重県のウェブ業界を「Web制作のリアル2019」から読み解く
今日は面白そうな表題が付いた雑誌を見つけたので早速買って読んでみました。題して「ウェブ制作のリアル2019」とのこと。業務系アプリの開発などを行っているSIerもIT企業としてのイメージはまだまだありますが、IT業界と言えばウェブ業界が占める割合も大きくなってきましたね。今日はこの書籍に書いてあることがウェブ・IT業界のことが、三重県のウェブ業界にも本当に当てはまるかどうか考えてみたいと思います。
申し遅れましたが、三重県四日市市でウェブの制作等を行っているFLARESの山口です。本日もよろしくお願いします。
統計データっぽいもの
男女比
男女比は半々って書いてて気持ち男性が多いみたいなんだけど、三重県においては女性が大半を占めているような気がしています。
ウェブ系の企業で働く男性のクリエイターが圧倒的に不足している感じがすごくしているのですが、FLARESでも一緒に二人三脚で三重のウェブ業界を渡り歩いてくれる方を募集しています。男性女性問いませんので、よかったらお気軽にメッセージください。と脱線しましたね。
勤務地
関東圏で75%らしいですね。三重県においては2%以下です。私が東京にあこがれる気持ちがものすごく強いのですが、それがそのまま数値に表れているような状況になってしまいました。まぁ、2%という超限定された人たちの輪の中で仕事をするって感覚は東京ではまず味わえませんね。この事実に加えて、そこそこできる人とと初心者でスピードがまだまだでない人の格差が広がっているとも書いてありました。であれば、おそらく半分の1%ができる層で、1%が初心者さんなのではと考えることもできますが…
FLARESの目標の一つである都市圏から地方への人と情報の逆流を成し遂げるべく今年は一つ事業を打ち立てようと考えておりましたが、ようやく構想が固まってきてアクションの優先順位が決まってきました。それはまたおいおい別の記事をお話しますね。
担当業務
ディレクションとインターフェイスデザインとマークアップがほぼほぼタイで1位なんだなぁと再認識することができました。まぁ、ディレクターとデザイナーとコーダーの3種が基本職種ということで過去も現在も変わりないようです。今年特に伸びている領域として面白いところは、コンテンツの制作やサイトの管理運営といった領域が伸びているように見受けられますね。ただウェブを作れるだけでは意味がなくて上流工程から戦略的なことをちゃんと埋めてきた結果として、コンテンツに落とし込んで運用していくといった流れが目に浮かぶようですね。
新しく挑戦していること
コンサルティング、マーケティング、トータルブランディングの3つが特に多い印象です。主要業務としては、担当業務で触れた職種になりますが、そのプロジェクトの目的がより戦略的な内容にシフトしていっているということがうかがえます。
そして、この次に続くのが自社のメディア運営とウェブサービス事業の2つなので、まぁ、私がやりたい領域と完全に一致していて面白いなぁと思いました。結局企業運営上の調査分析戦略立案フェーズから参画してクライアント企業に貢献しつつ、自社のメディアやサービスを育ててクライアント企業に依存しない売り上げの柱を作っていこうという姿勢はどこも同じですね。
技術とツール
1位が何と「企画力」。クライアント企業に初回訪問する前に勝負は決まるとどこかに書いてあった通り、イノベーションとブランド構築に関する企画力といった側面が特に重要視されているようです。ディレクターとしてどのような動きが求められているかを考えると、役割としてその下流工程で動く方々をぶブイブイ使いこなして最高の成果物を作りぬくといった姿勢が必要なように思われますね。ここからは特に自主性など強烈なモチベーションやマインドがにじみ出ていない状態では到底実現できないと感じさせる部分でもあります。ディレクターとして働く場合には、ぜひ気持ちの面で周囲を引っ張っていけるような前向きな気持ちで取り組めると周囲が求めているディレクターに近づけるんじゃないかなぁと思いました。
技術面では、JavaScriptが2位でした。やはり今後ウェブの世界の標準的な技術としてはJavaScriptは外すことができませんね。とはいえ、WordPressの構築案件も増えたと書いてる会社もあったので、まだまだWordPressも現役です。そういった意味ではPHPとJavaScriptを選択しておけばとりあえず当分はウェブ業界で生きていく力は養えるんじゃないかと思います。ただ、開発言語としてはPythonが加わっていたりもするので、AIやIoTなど、新しい領域へのアンテナも高く立てておく必要性があると感じさせます。
デザインツール
Photoshopが1位、Illustratorが2位です。まだまだPhotoshopのでデザインワークを行っている方が多いようです。
個人的には4位のXDがもっと伸びてくるとマークアップがぐっと楽になるのにと思いつつも「どうしてもイラレじゃないとだめ」とおっしゃる会社もあったのでそう簡単にツールが統合されていることはないですね。
コミュニケーションツール
1位はSlack、2位はLINEです。続いてチャットワークやFBメッセンジャーなどが続きます。三重においてSlackを利用している団体はまだまだ少ない印象です。特にエンジニア不在の会社なんかだと選択されることが少ないように思いますし、実際に自分が過去に勤めていた会社でも「Slackがんばってつかっちゃうの?笑」みたいなノリだったので、なかなかつらいものがあります。
ただ自社のコミュニケーションはSlackに統合をしていますし、自社案件については、基本Slackでのやり取りに移行は完了しています。チャットワークを比較することが多いのですが、やはりSlackの方が機能が多くて便利なケースが多いですね。LINEはファイルを保存できなかったり、元データを保持できないなどいろいろと不都合があるのでデザイン用途では結構つらいものがあるかと思います。
受注のきっかけ
クライアントからの直接指名が約7割と代理店などを経由した仕事の割合が下がってきています。
これって要するに代理店の営業する全体量が減ってるって意味としても受け取れるし、代理店として間を取り持つだけの仕事が減ってきているってことが言えるんじゃないかなぁと思います。要するに間に挟まるだけの会社では生き残れなくて、何かしら光る領域がないとダメだと。
さらにはその光る領域としても、ブランディング、マーケティング、コンサルティングといった上流工程にしても、デザインやマークアップやエンジニアリングといった下流工程にしても、より高度化が進んでいる模様。企画(一本筋の通った説得力と最終着地地点を見据えるチカラ)・デザイン(ブランドコンセプト、可視化)・マーケティング(集客、転換効率)といった部分がより重要で、次点でエンジニアリング、そして営業力は最下位という位置づけに。
要は仕事はいくらでもあるから、その機会をフルに活用していい仕事をするチカラが必要だと言っているわけだよね。企業が欲している人材の第1位が「専門知識や技術を保有している人材」となっているように、上記を満たすためのチカラをちゃんと保有してこだわりぬいて仕事ができるかどうかが大事ってことだと思います。
ちなみに私の専門領域はエンジニアリング×マーケティング=グロースハックって感じになっています。スキルセットに関しては人それぞれですが、自分の強みを生かした展開をしないとダメだなぁとは思いますね。
とまぁ、データ比較系の内容はこんなところでした。
まとめ
ここまでの内容がだいたい1/3くらいでこの後の2/3はウェブ業界で働く人の今を語ったインタビュー記事がずらーーーーーっと並びます。
みんなこんなこと考えてるんだなぁってのを感じることができます。概ねご想像の通りだと思いますが、みなさんも良かったら手に取ってみてください。ウェブ業界で働くいろんな人たちの考え方に触れるといい刺激になるんじゃないかなぁと思います。
Web Designing 2019年2月号