投稿日:2019年1月18日
営業プロセス全体におけるデジタルマーケティングの役割【制約のコードのレビュー】
こんにちは、三重県四日市市のホームページの作成などウェブデザインのお仕事をさせていただいているFLARESの山口です。
今日はホームページやメールなどのデジタルツールとリアルでの営業活動との連動のプロセスを学べる書籍ということでクリス・スミスさん著、神田昌典さん監訳の「成約のコード(コンバージョンコード)」という書籍を読んでみましたので簡単にレビューしてみたいと思います。
成約のコード デジタルツールと営業現場を連動する最強ノウハウ
成約のコードのレビュー
成約のコードの構成は大きく分けて2つの構成に分かれていると感じました。具体的には、デジタルツールに関することと電話など営業さんが担当する箇所に関することに分けられます。では、デジタルツール側から簡単に見ていきます。
デジタルツールの活用というのは、私たちが普段お客様にご提案差し上げていることに他なりませんが、この点についての基本的な考え方については、常日頃から私たちが考えていることとそう変わらない内容で、スタンダードなデジタルマーケティング手法といった印象です。具体的な手法としては、以下のものがあります。
- ランディングページの活用
- ブログの活用
- コンテンツの最適化(ブログ記事などの書き方)
- ソーシャルメディア活用(ここではフェイスブック)
- その他の手法
この通りデジタルマーケティングの基本パターンとして、ソーシャルメディアの活用やブログやその他のコンテンツで集客して、ランディングページでコンバージョンさせてリード(見込顧客)化するといったところは、私たちにとっては基本中の基本ですね。リードジェネレーション(見込顧客獲得)を目的としたウェブサイトの場合には、概ね上記の内容が鉄板のパターンとなっています。
ランディングページの活用
この書籍からわかることとして、ランディングページがないとコンバージョンすることが困難なことは明白です。現在のデジタルマーケティングにおいても、目的に応じて適切な情報を訴求し、必要性をユーザーに訴えかけ、なぜその製品やサービスが必要なのかをきちんと説明した上で購入したり契約していただくといったことに繋げていくためのコンバージョンポイントとしてランディングページは必要不可欠なものとなっている言えそうです。
ランディングページを作成する上での特に大きなポイントとしては、ページの目的を1つに絞ることの重要性や、今現在のスマホへの最適化などを考えると1カラムがよいということなど、制作者側から考えるとそりゃあそうだろうと改めた考え直すとわかるようなことでも、きちんとした要点としてまとめてくれているので、ランディングページに関する手法を整理する上では多少参考になりそうですね。
なお、この書籍の中では、ランディングページを作成する上でのポイントを細かく何点か例示してくれていますので、ニュアンスまで知りたい場合にはザクッとこの書籍をお読み頂ければと思います。この書籍は私が読むスピードで4時間程度で読み終わったのですが、300ページというボリュームの割には、1ページ内の文章量も少なく、専門用語もマーケティングや営業に関すること以外は少なめなのでザクザク読み進めることができます。
ランディングページだけでは見込顧客を集客するための機能がないので、作成したランディングページにどのようにしてユーザーを流入させるかということが必要になってきます。
その手法として世間一般として効果の高い一般論としては、ブログなどによるコンテンツマーケケティング展開も一つの手法にはなるのですが、本書ではどちらかと言えば集客経路はソーシャルメディア(SNS)の活用による拡散などバズを狙っていく方が効率が良いといった意見が強いように思いました。
SEOも並行して取り組みはするものの、文章を書くのにコストがかかったり、時間も費用も掛かる手法としてコスパが良くないという認識のようです。それよりかは、ソーシャルメディアをうまく活用したマーケティングを展開していった方がコスパもよく成果につながりやすいという認識のようです。
ブログに関して押さえるべきポイント
見出しの書き方やビジュアルの重要性、そしてストーリーテリング(導入部分)の重要性について語っています。ブログを書く上で重要な要素を考えてみると思いつくことではありますが、書きたいことを書くだけのブログでは上記がおろそかになりがちです。私が書いているこのブログについてもあまり意識せずに書き綴っているので、今後参考にして改善の余地はあるのかなあという感覚にはなっています。
それ以外では、この後のソーシャルメディアの活用にもかかってくる部分にはなるのですが「バズりやすさ」が重要だとも著者は訴えています。シェア対策のサウンドバイト(ユーザーに付き刺さる部分)をわかりやすく明確に表現し、共感を呼ぶための工夫を行っていくことが重要だということですね。この裏を返せば、ソーシャルメディアの活用がうまくできなければ集客はあまりうまく行かないととも言いかえることができます。
コンテンツの最適化
コンテンツの最適化については、以下の3つに集約できると訴えています。
- リードジェネレーションの最適化
- ソーシャルメディアの最適化
- Googleの最適化
リードジェネレーションの最適化
リードジェネレーションとはここではユーザーのメールアドレスや電話番号などの獲得を指します。デジタルマーケティングにおいては、メールアドレスや電話番号を獲得することをコンバージョンとも言いますが、これらユーザー情報の獲得に当たってこんなやり方があるよ!って形でいくつかの手法を紹介しています。なので、言い換えれば企業サイトにお問い合わせフォームだけしか準備されていない状態だとユーザーの連絡先情報を取得するための工夫としては少し弱くて、もうちょっと工夫すればもっと楽にお客様が情報を提供したいと思える仕組みがあるよ!ということを訴えています。
自社のサイトを見返してみて、お問い合わせフォーム以外にユーザー情報を獲得するための経路がないとすれば、工夫が足りないシルシなので、今後の運用について検討の余地は大いにあると言えそうです。
ソーシャルメディアの最適化
写真が特に重要ってことや、特定のユーザー層に絞って、それらのユーザーが興味のあることだけに特化して情報をシェアすることでアカウントをそだてたりアカウントのブランディングをしていくことが必要だとも謳っているように感じました。ソーシャルメディアの活用については、フェイスブックでのノウハウが後に控えているので本章における内容は少な目です。
Googleの最適化
Googleの最適化については、従来のSEO手法についてさわりだけ書かれていました。ちゃんとSEOを意識したHTMLでページをマークアップすることや、自社運営の別ブログへリンクするようにするなどが主な内容です。ただ、SEOは意識しすぎなくてもよいとのことなので、内容はかなり少な目ではあります。
ソーシャルメディアの活用
この書籍においてはフェイスブックについて取り扱っています。独自のリストの作り方や他社の投稿にコメントを書いたりダイレクトメッセージを送ることの重要性など、1to1の対話が大切だよ!ってことを謳っています。それらを行う上で、ユーザーのリストを整理するために利用できる機能や、フェイスブック広告についても触れています。
本書曰く、フェイスブックの一日のアクセス数がGoogleを超えたとのことなのですが、日本においてはどうなんでしょうね。フェイスブックは下火であるということを多く聞きますが、依然として私が関係を持っている周囲の方々は継続的にフェイスブックへの投稿を続けているように思いますし、圧倒的なユーザー母数と本名という特性上からの信頼性の高さなど、まだまだ活用する機会は多いように思います。
広告に関しては露出を増やしたい時に、効果が高いと思われる特定のユーザー層に対してのみ広告を表示して訴求することができるので、オンライン広告全般に言えることではありますが、角度の高いリードをサイトに流入させるための手法としては効果は高いと依然として言えそうです。キャンペーンは時間とともに腐るものなので、同じ広告を長期間継続して出す効果はあまりないと思いますので注意が必要です。
上記以外の手法
主に以下について概要をザクッと説明しています。
- メールマーケティング
- リターゲティング
- キュレーション
- インフルエンサーのブログへの寄稿
- ポッドキャスト
- YOUTUBE
昔ながらのメールマーケティングでの手法や広告という意味ではリタゲも有効だし、他社のブログやキュレーションなどを活用するのも一つです。
それ以外だとソーシャルメディアであるInstagramが熱いってことや、ポッドキャストやYOUTUBEなど動画のマーケティングがいいんじゃないかということも提案していますね。これからの時代、動画によるマーケティングはさらに過熱していくと想像できます。
私は今現在、まずはライティングからのブログ執筆によるSEOである程度の成果を出すと決めて頑張っていますが、この動画の領域については早く足を踏み入れたいところではありますね。
アポから成約までのリアルでの活動
ここまではデジタルマーケティングに関する手法についてで、残り半分のテレアポのノウハウやクロージングに向けてのノウハウについては、私の専門外になるのでこちらの記事にまとめることはしませんが、実際に会って話をするだけで成約する確率はぐっと高まると言えるとは思います。
私自身もお客様と会う機会を与えられさえすれば、お客様にご納得いただいた上で自社のサービスの良さをご理解いただくという意味では、メールやソーシャルメディアだけでは伝えられないニュアンスや人間性の面で大きなアドバンテージがるので、幾分うまくご説明ができてご納得いただくことが多いように思います。
そういう意味で、はやり足を運んでお客様と直接お話するという時間をスキップすることはできませんし、お客様との大切な時間を共有するということを継続していかなければ、人間関係を育てていくこともできません。
ただ、営業プロセスの一番最初の段階として、「知ってもらう」というところや「出会うまでの一連の流れ」の中で、ご紹介から仕事に発展するケースが最もボリュームのあるところではありますが、新規顧客の開拓に当たっていきなりテレアポだけで角度の低いお客様に向けてのアポ取りを行うのも今現在においては非効率だと思いますし、営業というプロセスにおける最上流の工程の1チャネルとして、デジタル活用があってもいいのかなぁというところです。
まとめ
最後に全体の感想をお伝えしておくと、全体を通して非常に読みやすくザクザク読み進めることができるのでデジタル活用から営業までの全体のプロセスを見るためには非常に便利な書籍といった印象です。目からうろこが落ちるような内容ではないように思いますが、デジタルマーケティングの基本的な定番手法やその後の営業におけるクロージングまでのプロセスを一通り学ぶことができるため、全体を通して著書がこれまで行ってきた顧客をつかむためのデジタル(インターネットやメールなど)とアナログ(対面や電話など)の連動プロセスについて、タイトルの通り全体を通して鳥瞰するためには非常に役立つ書籍だと思いました。
ただ、各論の詳細については内容が少し薄いように思う部分もありますので、それだけに特化した書籍を読んだ方が細かいノウハウについては学べる部分が大きいと思います。特に電話対応のプロセスなどは、人が行うことでもあるので、営業担当の人の特性や強み、また製品やサービスによっても展開の仕方は大きく変わってくるんじゃないのかなぁって感じています。
今回僕にとってはテレアポやクロージングにおけるスクリプトの知識なんからはこれまで学んだことがなかったので、それらの内容に関しては私にとっては新しい知識として頭の片隅に入りましたが、リアルでの売込みは今後はやるつもりは一切ないし、もっと誰かの役に立つ何かを準備して提供したり、何かあったときにお呼びいただけたり必要としてもらえるような関係作りに全力を注ぎたいと考えています。
きっと今後お客様をはじめとして人と会話をするときにこんなノウハウがあったんだよってところが断片的に作用するようになってくるのかなぁというところで、すぐに効果が出るとは思ってはいませんが、現状日本においては、ちゃんとしたものを提供し続けていれば、売り込まなくてもサービスは売れていくもんなんだろうなぁという感覚でいるのですが、本書も最初から最後まで通して訴えている、デジタルからきちんとリアルまで繋げていくためのそのプロセスを整理して明確にし、見込顧客を育てながら(リードジェネレーションからのリードナーチャリング)成約までこぎつける流れ(クロージング)はきちんと整理しておかないといけないかなぁとは思いました。
そもそもの話だと、弊社の場合には、まずサービスの絶対数が不足しているので、きちんと提供できるものを雛型にはめられるほどにカタチにするということが必要だし、そういった動き方に特化しようとは考えていました。お客様に訴求する手法について考えるよりも、お客様に提供できるものを作ることに全力を注ぎたいと思いますが、お客様のマーケティングを支援するためのソリューションの開発にも今後は力を入れていきたいと思います。
また、弊社における見込顧客育成における中間商品の不在など、マーケティング面での課題は山盛りです。最終的に自社でのデジタル活用の流れを全部ひっくるめて、それらをお客様に提供する上での流れを整理して、お客様の事業展開を支援する形でかかわることができればこれ以上に幸せなことはありません。
マーケティングやデジタルのテクノロジーについて考えているのは楽しくて仕方がありませんから、デジタルマーケティングに関するテクノロジーやノウハウに関してもいろいろ普段から学びを続けてはいます。今後も継続して楽しく学び続けて、お客様から求められたときにすぐにお客様のビジネスに適用できるようにとはいつも考えてはいますが、幾分受けの体制なので、もっと身を乗り出してみたらと言われそうですね。私一人ではできる範囲は限られていますが、それでも精いっぱい今後も対応していこうとは思います。
最後になりますが、絶対にデジタル活用における成果を出してやるという気持ち一つで日々取り組んでおりますので、今後も自社の取り組みやお客様の支援において、確実にステップアップできるように進めていきたいと思います。